時間の流れ

朝


嬬恋の家での私の一番好きな時間の過ごし方は、
ベランダに出てのんびり外を眺めて過ごすこと。

今の時期なら朝。夏の頃なら夕暮れ時がベストタイム。
コーヒーやビールを片手に椅子に座っているだけで、飽きることなく何時間でも
過ごすことができそうです。

嬬恋の家にはテレビはもちろん、PCや電話すらありません。
普段の生活とは違う環境に身をおいてみると、いかに私たちが無意識ながら
常に時間や情報に追われて暮らしているかがよくわかります。

それが悪いというつもりはありませんし、
そうしていくことが今の時代を生きて行くには必要なことなのだとも思います。

でも。それが全てではない、とも思います。
自然には自然の時間の流れがあって、人間だけがそれを変えることは出来ない筈。

意識的にこうして自然の時間の流れの中に身を浸すことで
“自分時間”をリセットする。
今の私にとって、それは欠かすことのできない貴重なひとときになっています。

伝説

嬬恋村の名前の由来をご存知でしょうか。
“嬬恋”という名には、とある伝説が伝えられています。

その昔、第12代景行天皇の皇子『日本武尊(やまとたけるのみこと)』が
蝦夷、陸奥の国への遠征に向かっていた時のこと。

相模の国(今の神奈川県)から、上総(千葉県)に渡るために船を進めましたが
突然の暴風に襲われてしまいました。
大波の間に船が漂流し、まさに危険な状態になった時
海の神の怒りを静めるために、日本武尊の妻『弟橘姫(おとたちばなひめ)』が
「願わくば私の身を海神に捧げて、尊を始め従軍の者たちの命をお救いしたい」
と申し出で、その身を海に投じたのです。
すると嵐はぴたっと治まり、一行は無事海を渡ることができるようになりました。

その後、日本武尊は東へと進み見事蝦夷を制圧。使命を果たした帰りの徒の途中で
碓日坂(今の鳥居峠)にお立ちになり、亡き妻を追慕するあまり
「吾嬬者耶(あづまはや)(ああ、わが妻よ、恋しい)」とお嘆きになったとか。
そしてその言葉から『吾妻郡』という地名ができ、また吾妻神社、四阿山、
吾妻山といった地名が生まれたのだということです。

嬬恋村は妻を愛おしまれたという故事にちなんで名付けられた村。
現在でも「愛妻の村」としての活動が続けられています。

支度

『支度』 黒田三郎  (詩集「羊の歩み」から)

支度   何の匂いでしょう
   これは

   これは
   春の匂い
   真新しい着地の匂い
   真新しい革の匂い
   新しいものの
   新しい匂い

   匂いのなかに
   希望も
   夢も
   幸福も
   うっとりと
   浮かんでいるようです

   ごったがえす
   人いきれのなかで
   だけどちょっぴり
   気がかりです
   心の支度は
   どうでしょう
   もうできましたか

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浅間山

浅間山


嬬恋村を見下ろすように君臨する浅間山。標高 2,568m。
現在も活発に活動している、世界でも有数の活火山です。

最近では2004年9月の噴火が記憶に新しいところ。
この時は我が家のベランダにも白い灰が積もりました。

現在でも白い噴煙が時折もくもくと上がるのを、間近に見ることができます。
風向きによっては辺りに硫黄の匂いが漂うことも。
大地は生きている。浅間山を見ていると、そんな実感が胸に湧いてきます。



シメ

シメ


正面顔なのでちょっとわかりにくいかもしれませんが。

今回の滞在中、時々ひょっこりと顔をだして楽しませてくれた「シメ」。
この鳥は冬鳥なので、そろそろしばらく会えなくなってしまいます。

嬬恋村にいると鳥の姿でも季節を感じることができます。
3月〜4月の今頃は、ちょうど冬鳥たちが北へと旅立つ時。
代わってGWには夏鳥たちが姿を現すことでしょう。

今度この子に会えるのは秋も深まった頃でしょうか。またきっと帰っておいでね。

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嬬恋村からの便りです。